横断的研究実施状況と得られた成果 (2018年度実施分)
チームスポーツでは、個人練習に加えてチームの実戦型練習による戦略・戦術面の継続的かつ計画的な充実を図ることが重要です。しかし、女性の競技選手では前十字靭帯損傷などの長期休養を余儀なくされるスポーツ傷害が好発することから、女性の競技選手のスポーツ傷害を予防することは、競技力の向上へとつながると考えられます。これまでには、女性の競技選手のスポーツ傷害発生要因や予防法に関する報告・研究が数多く実施されています。しかし、依然として傷害発生数は減少してません。その理由は傷害発生の要因が多岐に渡ることであると考えられます。 そのため、本プロジェクトでは、女性の女子バスケットボール選手を対象にスポーツ傷害発生の危険因子を整形外科的な要因に加え、栄養・生理学・遺伝子などの要因を加味した多角的な観点から判別することに取り組んでいます。さらに、個々の選手の危険要因を判別し、それに準じた短時間で行うことの可能な予防プログラムの考案につなげています。測定結果
運動機能に関する要因
現在分析中です。まとまり次第掲載いたします。
生理学な要因に関する
遺伝子の結果
日本人女子バスケットボール選手においてCOL3A1 rs1800255遺伝子多型,COL5A1 rs12722遺伝子多型,COL5A1 rs3196378遺伝子多型,MMP3 rs679620遺伝子多型の4つの遺伝子多型が前十字靭帯損傷の発症頻度に影響するか否かについて検討することを目的とした.その結果,MMP3 rs679620遺伝子のCT+TT型を有する女子バスケットボール選手では,CC型を有する選手と比較して前十字靱帯損傷の発症回数が多いことが示された
血液の結果
現在分析中です。まとまり次第掲載いたします。
栄養状態に関する要因
栄養状態の結果
今回の対象者のエネルギー量及び栄養素摂取量の平均値は参考値を下回った。各測定期間での体重変化では、体重が減少した者の割合が2019春から2019冬にかけて増加したことからもエネルギーの摂取不足が考えられる。
対象者に必要なエネルギー及び栄養素摂取量を確保するためには、穀類・いも類・野菜類・豆類・魚介類・乳類・果実類の摂取量を増やす必要があると考えられる。
測定対象
京都府・滋賀県内で活動するバスケットボールチームに所属する女子バスケットボール選手(これまでの測定対象者:社会人・大学生、京都府・滋賀県内の高校生、滋賀県内の中学生)
測定内容
傷害の既往履歴・傷害予防に関する調査(アンケートによる)
- 傷害・疾病履歴
- 栄養・食意識
身体および運動機能に関する要因測定
- 下肢筋力の測定
- 股関節外転筋力
- 足趾把持筋力
- 足趾押筋力
- 筋柔軟性・関節可動域測定
- 股・膝・足関節の関節可動域
- ランジテスト
- Active Straight Leg Raise Test
- 呼吸機能の測定
- Hi-Loテスト
- 体内酸素レベルテスト
- 横隔膜の筋厚変化率
- バランス能力の測定
- 片足・両足立位保持時間
- スター・エクスカージョン・バランス・テスト
- ドロップランディングテスト
- 感覚機能の検査
- 足裏の触圧検査
- 輻輳近点テスト
- 総合的な運動パフォーマンス測定
- ランディング・エラー・スコアリング・システム(LESS)
生理学的要因に関する測定
- 血液検査 ※立命館大学びわこ・くさつキャンパスでの測定のみ実施
血液内の成分測定(エストロゲン、プロゲステロン、ヘプシジン、C反応性タンパク、DHEA、レプチン) - 唾液測定
ストレスマーカー・遺伝子多型の判別
栄養状態に関する要因の測定
- 栄養・食意識に関する調査(アンケート)
- 栄養状態に関する調査
身体組成(身長・体重・BMI・体脂肪率・骨格筋量)